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自然冷媒について

地球温暖化のために減らすべきは、
CO2だけではなく、
最大でその4,000倍もの温室効果がある、フロンガス。

地球温暖化と冷媒技術の関係

私たちの快適な食生活を支えているのは、食材を新鮮なまま届ける冷凍冷蔵の技術です。例えば、海で獲れた魚や畑で採れたレタスが新鮮なまま食卓に並ぶのは、水揚げや収穫後に急速に冷やされ、その後の運搬中も低温状態が保たれるからです。この冷凍冷蔵技術に使われる冷媒が、地球温暖化と深く関わっていることを知っていますか?

冷媒といえば
フロンガスですが…

冷媒とは、熱を移動させるために使う物質のことです。これまで冷媒はフロンガスという物質が使われてきましたが実は、二酸化炭素(CO2)と同じくらい、フロンガスも地球を暖める原因となっています。例えば、私たちが使うエアコンや冷凍冷蔵機器に使われる一部のフロンガス(R410A、R22、R404Aなど)は、二酸化炭素の何千倍も地球温暖化を進める力を持っているのです。
フロンガスはこれまで、冷凍冷蔵機器などで幅広く使われています。オゾン層の破壊や地球温暖化の影響を考えると、その使用は段階的に制限される必要があります。実際、2020年には先進国では特定のフロンガスが全面的に使用禁止となり、2016年のモントリオール議定書では2036年までに代替フロンの85%削減の義務化が策定されました。しかし、日本国内では、46%もの冷蔵倉庫で特定フロン(R22)を使用している現状です。

日本では46%の冷蔵倉庫で特定フロン(R22)を使用 ※冷蔵倉庫仕様冷媒(2021年度)

脱フロンに応える自然冷媒

脱フロンに向けて、より環境に優しい冷媒を使う技術が開発されています。
いわゆる「自然冷媒」と呼ばれる、アンモニア(NH3)、二酸化炭素(CO2)、水(H2O)、空気、炭化水素(HC)など、自然界に本来存在する物質です。
これらの自然冷媒は、地球温暖化への影響が少なく、持続可能な冷却技術として注目されています。

2016 モントリオール議定書 2036年までの代替フロン85%削減を義務化

冷凍機に使用されている
自然冷媒

二酸化炭素(CO2

二酸化炭素は、温室効果ガスとして知られていますが、地球温暖化の影響力を示す「地球温暖化係数(GWP)」は、フロン類と比べてずっと低く(GWP=1)、さらに、毒性や可燃性がありません。そのため、フロンガスの代わりの冷媒として期待されています。二酸化炭素を冷媒として使うためには高い圧力が必要で、これまでは装置を小型化するのが困難でしたが、今では2段階の圧縮方式などが使われて、効率的で小型な冷却装置が作られています。


二酸化炭素冷媒の特徴

  • 無害で、においが無い
  • 燃える心配が無い
  • フロンガスと比べて、温水を作る時にエネルギーを有効に使える

使用例

冷凍冷蔵倉庫、冷凍食品の凍結、アイスクリーム製造、製氷、電気温水器(エコキュート)、スーパーマーケットのショーケース

アンモニア(NH3

フロンガスが一般的に使われる以前は、アンモニアは冷やすための物質としてよく使われていました。ですが「冷やす温度が-30℃未満ではあまり効果的でない」「有毒で臭いがあり、人が触れる場所に使うのは危険」といった欠点があったため、その後フロンガスが主流になりました。しかし最近では、これらの問題も解決されつつあり、フロンガスの地球に与える悪影響が問題視され、アンモニアを再び冷やすための物質として使うことの価値が再評価され、実用化が進んでいるのです。


アンモニア冷媒の特徴

  • 少量の冷媒で済む(フロンガスよりも熱を伝える性能が優れているため)
  • フロンガスと比べて、冷凍や冷蔵、そして空調の際のエネルギー効率が高い

使用例

化学工場、製薬工場など

だからこそ、
日本熱源システムが
事業の核としている
“自然冷媒”が、
地球温暖化抑止の
切り札となるのです。

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